日時:2025年11月15日(土曜日)
午後2時〜4時
会場:京都市立芸術大学 C棟3階「講義室7」
参加者:25名
キルケゴールは、19世紀前半のデンマークの哲学者です。もしも彼が今生きていたら、インターネットやSNSについて何と言っただろうと想像してみるのは、面白いと思います。荒唐無稽な空想のように思われるかもしれませんが、必ずしもそうではないのです。キルケゴールの時代、新しいメディアとしての新聞が、人々の思考と人生観に大きな影響を与えはじめていました。キルケゴールはそうした新しいメディアの犠牲になり、今でいえば「炎上」したこともあるのです。
私たちが「最先端」だと思っているネットやSNSや生成AIといったトピックは、その問題の本当に根本的なところを探ってゆくと、19世紀前半のヨーロッパで人々が経験していた文明上の変化に行き着きます。それは産業革命の進行に伴った、テクノロジーの生活世界への浸透です。この変化は文明の「進歩」として世界中に波及し、日本にも19世紀後半には入ってきました。そして21世紀前半の今、「進歩」だと思われていたこの変化の根底にある問題が次第に広く意識されつつあります。SNSにまつわる問題はその一つです。
今回はキルケゴールの思考を紹介しながら、テクノロジー、メディア、コミュニケーションに関して、二世紀の時を隔てた対話を試みてみたいと思います。(吉岡 洋)